クシエル家に現れた狙いはテトラ――もとい『夜王』トランシルダ。
彼女の覚醒のためにリリメルーダを利用し、主人公に夜魔の呪いをかけた。
利用していただけなので、トランシルダ覚醒後はリリメルーダを魔界に強制送還している。
しかし、ハヅキは『夜王』の眷属であるが、その実『夜王』の打倒を狙っている。
これは数代前にユヅキと共にトランシルダ打倒に向かった際に返り討ちに遭い、眷属化された身であるため。
転生を経ても祖国や人々を葬ったトランシルダへの恨みはあり、様々な手段で打倒を試みている。
ただし眷属の身ゆえに打倒が困難とわかっていても自力での打倒にこだわるユヅキに対し、ハヅキは他者の力を見出し、育てる道を選んだ。
主人公への協力もこの一環であり、また様々な手段の一つとして編み出したのが退魔術。
人間の時から武家の娘として卓越した腕を持っていたハヅキが、淫魔の力を以て淫魔を討つ術を編み出し、さらにそれを半魔でも使えるようにした技こそ、シオンの使う退魔術である。
見た目でそうは見えないが、当代の退魔の一族であるシオンからすれば師匠どころではない存在であり、素性が判明してからはエクシールからも様付けされる大師匠なのだ。
ハヅキ曰く人間が使えるように術を編み出すのは苦労したとのことだが、代々の当主達へハヅキ自らが最後の秘伝を授けていたり、十数代以上に渡る退魔の一族歴代当主の腕前を覚えているなど、実際のところ教育大好きな性分ゆえに復讐以上に一族の育成に力を注いでいたフシはある。
……なお、最後の秘伝はどこかで聞いたようなものであり、実際にその当人はずっと実践しているものでもある。画面を見ている諸氏には覚えがあるはず。
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